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第247回 DARK "Dark Round The Edges"

DARK - "Dark Round The Edges"
1972 UK SIS 0102
(Hard Rock)

RARE:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

Member :

Paul FrancisSteve Giles(g,vo), Ron Johnson(b),
Clive Thorneycroft(ds), Martin Weaver(g)


Side (A)
1. Darkside
2. Maypole
3. Live For Today


Side (B)
1. R.C.8.
2. The Cat
3. Zero Time


ブリティッシュ・ハード・ロックの中でも最も入手困難で、最も高値を 呼んでいる一枚です。

オリジナルはメンバーが知り合いに手渡しした12枚が初回盤で、それは もうグラニーGRANNIEが泣いて謝るくらいのレアさで、見ることでさえ、 天然のタガメの産卵シーンをライヴで見れるかどうかくらいのもので、 真面目に手に入れようなんて思った日にゃ、預金とか家族とか色んなもの を犠牲にする覚悟が必要だと思います。

が、ありがたいことに、数年前にイタリアの偉大な某ディーラーの 多大なる尽力により、初回仕様のジャケットで再発盤が出たおかげで、 フツウにネクタイをしめて通勤している私のような一般人でも耳にする ことができるようになりました。

数あるブリティッシュ・ハード・ロックを耳にしてきた方々でさえも このサウンドというのはリスペクトするにあまりあるもので、所謂 伝説とか幻とかそういう称号を持っているものだけが発する何とも言えな い崇高なムードがアルバム全体を支配しています。

騒ぐ割には凄くないジャケット・デザインに比べて、音の方は正に本物中 の本物の内容で、プレミアムに負けない一種独特の孤高な雰囲気に 満ち溢れ、伝説と呼ぶに相応しい、坂田三吉(正しくは阪田三吉)の初手 9四歩をも彷彿とさせるものがあります。

特にA-1の出だしです。

テクニカルとかハードとかそういう表面的な凄さではなく、もう雰囲気 そのものが凄いのです。どうってことないギターとどうってことない ドラムスは、聴けば聴くほど凄さが伝わってくるもので、4、5回聴いた 程度ではその凄さはわかりません。これが10回、20回と回を重ねるうちに だんだんとその凄さが伝わってきます。もう名前の通りまさしくダーク! 演奏的には全然大したことはないのに、本当に音楽って雰囲気が 大事だなって思います。

チャーマーティ・フリードマンがコピーをしても絶対この凄さは 出せないと思います。(ゴメンナサイ)

昔聴いた時には『名前だけだな』なんて思ったものですが、とんでも ない!ザ・フーアウト・イン・ザ・ストリートOut In The Street) などもそうですが、音ひとつの雰囲気で聴くものを圧倒できるって いうのは、できそうでできないもので、こういう音に巡り合った時こそ、 本当にコレクターをやっていて良かったな・・・と思うのであります。



(2007.03.20)