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第227回 JANIS JOPLIN "Pearl"

JANIS JOPLIN - "Pearl"
1970 US COLUMBIA PC-30322
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Janis Joplin(vo), Brad Campbell(b), Clark Pierson(ds),
Ken Pearson(key), John Till(g), Richard Bell(key)


Side (A)
1. Move Over
2. Cry Baby
3. A Woman Left Lonely
4. Half Moon
5. Buried Alive In The Blues


Side (B)
1. My Baby
2. Me And Bobby McGee
3. Mercedez Benz
4. Trust Me
5. Get It While You Can


70年代のアメリカを代表するシンガーです。

今更くどくどと説明する必要もない伝説の女性で、ジミ・ヘンドリックスJIMI HENDORIX 以下ジミヘン)と並んで、カバーも多く名前は知ら なくても曲や独特の声を聴けば知らない人はいないのではないでしょうか。

70年代の音楽が不滅だと感じる理由はここいらにもありますね。

ジミヘンジャニスに限らず、あれだけ80年代にヒットを飛ばしていたジャーニーJOURNEY)やビリー・ジョエルBILLY JOEL)なんかと較べてもメディアの取上げ回数が多いような気がしてなりません。

そういったカバーから遡ってオリジナルに辿りつく若者もいるのではないかと思いますが、『午後の紅茶』のCMで頑張っている松浦亜弥のカバーもジャニスのオリジナルに辿り着いて頂ければ、「あややには ちょっと酷」という私の意見に賛同してくれることと思います。

さて、ようやくジャニスに辿りついた若者には悲しいお知らせですが、ここで紹介する作品は彼女の遺作で、彼女の死後に発売されたものです。世間一般では最高傑作との評価も得ており、全米No.1に輝いた作品でも あります。

アルバム・タイトルの『パール』は彼女自身が好んだ自身のニック・ネームだという話ですが、あの豪快な声と顔(ゴメンナサイ)で『コール・ミー・パァ〜ル』なんて言われたら、私だったら『オッ・・ オッケー、パッ・・パール・・』なんて固まってしまうだろうな。

話がまたそれました。

このアルバムは全米No.1シングルのB-2『ミー・アンド・ボビー・マギー』を収録していることでも有名ですが、私はなんといってもA-1の邦題『ジャニスの祈り』です。(ベタですか?すみません。) ちょっと邦題としてはどうかな、なんて思いますが、そのへんは既に沢山の議論がされてきているので、深く突っ込のはやめておきます。

彼女の曲はどの曲も割りとブルース色が強くて、電車がなくなってしましった時間に2軒目のパブとかでもう眠くて眠くてたまらないのを我慢 我して飲んでいる(それなら帰ればいいのだが)時に聴くのがぴったりの退廃的で場末な感じなのに、この曲だけはちょっと雰囲気が違います。

だからと言って彼女らしくないかと言えばそうでもなく、ただ個人的にはこういう感じの曲をもっともっと歌って欲しかったなというのが正直な ところです。

また、この曲は多分にハード・ロック的でもあるので、松浦亜弥以外にもブリティッシュ・グラム・ハード・ロック・グループ、スレイドSLADE) までもがカバーしており、こっちはすんごいハード・ロックな仕上がりすが、それでもオリジナルの方が迫力があり、やっぱりこっちに軍配です。

もう一度繰り返しておきましょう。ジャニスはアメリカのシンガーです!

ジャニスというとどうしてもこの曲が好き過ぎて、この曲の話ばっかりになってしまって恐縮ですが、それでも好きなんです。この曲から、A-2 『クライ・ベイビー』への流れはツェッペリンの『ゴナ・リーブ・ユー』への流れと似ていて、この間(ま)も好きです。



(2006.8.10)