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第158回 GRAVY TRAIN "(A Ballad Of) A Peaceful Man"

GRAVY TRAIN - "(A Ballad Of) A Peaceful Man"
1971 UK VERTIGO 6360 051
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★★

Member : 

Norman Barett(g,vo), Barry Davenport(ds),
J.D.Hughes(key,vo), Les Williams(b,vo)


Side (A)
1. Alone In Georgia
2. (A Ballad Of) A Peaceful Man
3. Jule's Delight


Side (B)
1. Messenger
2. Can Anybody Hear Me

3. Old Time Box
4. Won't Talk About It
5. Home Again


ジェスロ・タルばりのフルートで有名なグレイヴィー・トレインの2ndアルバム。
1stアルバムではフルートを前面に押し出したハードロックでしたが、ここで紹介する2ndアルバムではストリングスも導入したバラード中心の音作りになっています。

「おそばやさんのカレーが実は意外と美味しい」と言われているのと同様「ハードロックグループのバラードには実は隠れた名曲が多い」という格言がありますが、この2ndアルバムもA面3曲がバラードになっていて、そのどれもがおそばやさんのカレー級/もしくはカレーうどん級の佳曲ぞろい。これこそがまさしく彼らの持ち味なのではないでしょうか。

こういうバラードってプログレ系のグループが演ると、甘くなり過ぎるきらいがあるのですが、ハードロックグループが演るとリズムがしっかりしているので、その上に甘い歌メロが乗っかってもふにゃふにゃにならないのが良いところです。

タイトルナンバーのA-2は、じめじめ歌うヴォーカルが魅力的で、このアルバム中一番の出来。
ヴォーカルの声にちょっとクセがあるためか、シャウトする時よりもバラードをやわらかく歌う時の方がいい感じで、こういう作りのアルバムにはフィットしています。

B面になるともう少し実験的な色合いの強い曲や、フルートを激しく振り回すような曲も多く、やや雑然とした感じがします。この辺はアードバーグ同様、A面で成功してしまったためにあとは飽きてのか・・・。

改めて全体を聴くとやっぱりA面の3曲がこのアルバムのハイライトかなと思います。
A面の出来が非常に良いので、思いきってA面の路線を全体的にやってみた方が面白い出来になっていたかもしれません。

フルートを使ったハードロック、プログレッシヴロックというのはかなり画期的なことだったんでしょうが、彼らが不運だったのは、ジェスロ・タルというあまりにも偉大なフルートロックの存在があったことですね。
もしかしたら実際にはジェスロ・タルのフォロワーだったのかも知れませんが、なんとなくオリジナリティとしてフルートを使っていたんじゃないかと私は思っています。

余談ですが、このアルバムジャケットを最初に見た時、私は玉子とウインナーソーセージだとばっかり思っていました。裏ジャケをみるとわかるのですが、実はこれ人の指なんですね。
グーで握った手の上に玉子を乗せている、というのが正解でした。(そ、それでって感じですが・・・)


(2004.07.30)