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第115回 ENGLAND "Garden Shed"

ENGLAND - "Garden Shed"
1977 UK ARISTA ARTY 153
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★

Member : 

Robert Webb(key,vo), Franc Holland(g,vo),
Jode Leigh(ds,vo), Martin Henderson(b,vo)


Side (A)
1. Midnight Madness
2. All Alone

3. Three Pieces Suite


Side (B)
1. Paraffinalea
2.
Yellow
3. Poisoned Youth



70年代後半のちょっと遅れてきたプログレグループとして、マニアの間で高く評価されている一枚。


70年代初頭の全盛期以外の作品というと、ジェネシスフォロワーに多いように、評価の割には実際に聴いてみると音が新しすぎたり、甘すぎたり、迫力に欠けていたりで、今ひとつのものが多い中、『誰にも文句を言わせない』素晴らしい内容の作品です。

全般的に曲が良くできているため、あちこちに深い感動を呼ぶフレーズが散りばめられていて、哀愁たっぷりのメロディもそれに拍車をかけています。しかもだからといって甘すぎないのがこのレコードの凄いところ。ケーキやチョコレートでも本当に良い物っていうのは、ただ単に甘いだけではないものが多いのですが、このレコードもそんな感じです。

そして、この時代にしては珍しくさりげないメロトロンも挿入されていて、プログレファンにとっては全自動洗濯機のような有り難さ。また、A-3でみせる泣き泣きのギターはブリティッシュプログレの作品の中でも屈指のソロで、聴いているうちにだんだん身体が後ろにのけぞっていきます。

この感動のソロの余韻も冷めやらぬうちに、これでもかとばかりに次から次へと転調して、素晴らしいメロディが繰り出されていくさまは圧巻です。そして時折挿入されているさりげないメロトロンも実に奥ゆかしい。よくジェネシスイエスを足して割ったようなサウンド云々といわれていますが、あまりそういう印象は強くなく、オリジナリティに溢れたグループだと思います。

余談ですが、この英国プログレ屈指のアルバム、ジャケットはマーマレードのラベルのデザインだったってご存知でしたか?その名も『GOLDEN SHRED』!ロンドンのホテルで朝食のテーブルにこの瓶が載っていたときにはホントびっくりしました。聞けばイギリス王室御用達、どこにでも売っている定番のマーマレードだそうです。ということは、レコード屋で驚くのがイギリス人、何も驚かないのが外国人、そして、ホテルで驚くのがレコード・コレクター。これで間違いはないでしょう!


(おまけです。)